ゆっくりとさよならをとなえる

いざ、生きめやも/さよならの学者に、なりたい

夢の続きを

帰り道で、ふと孤独の中に投げ出されると、彼のことを思い返すのだけど、彼には一緒にいた頃それなりにひどいことをされたし、私の想いに必ずしも答えてくれていたわけではないから、現実的にあるいは打算的に考えると、以前と同じ強さで好きだと思えないし、もうひどい目に遭いたくないという保身が先に立つ。けど、彼を思い出す瞬間が完全にないわけでなく、私は壊れたり汚れて駄目になってしまうより前の頃の夢が忘れられないのだろうと思う。そしてその夢の続きがどこにあるかを知らないから、探しかたもわからないから、しかたなくその手がかりとして彼を思い出すのだろうな。はたして、夢の続きが彼の胸の中にあるか、私の彼を思う手の中にあるのか、それは誰にもわからなくて、その審級は彼にも私にもない、感情論だけでないたろうから、ただなにも聞かずに幸せを見つめて、あるいは馬鹿みたいに期待するしかなく、ただ続けるのみ。続くのみ。水中の苦しみの中で酸素を求めるみたいに。

広告を非表示にする