ゆっくりとさよならをとなえる

いざ、生きめやも/さよならの学者に、なりたい

さよなら、愛し君

彼が以前見せてくれた写真に写っていた幼い頃の彼を、時々思い出す。
「可愛いね」
「そうなんだ、俺可愛かったから上級生から気に入られてた」
というやりとりをした記憶がある。小学生の彼は本当に可愛くて、大人しい人懐っこい小動物のようだった。目が特に印象に残っている。可愛い。
青年になった彼にチャームポイントを訊くと、「目」と答えた。その時の彼の目は可愛くなかった。
またあの小さな彼の写真が見たい。小学生の彼は、スポーツブランドのカットソーを着ていた。この頃はまだ服装に無頓着だったんだな、と思った、彼も彼の母親も。今はなかなかおしゃれで、そうして年上の人妻を暇潰しに抱く。

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