ゆっくりとさよならをとなえる

いざ、生きめやも/さよならの学者に、なりたい

セリフみたいな涙、似合わない

彼と過ごした過去の日々を思い出して横になっていた、これまでの時間のほとんどを。彼は人妻の元カノのもとへ肉体関係を求めて奔走したけれど、結局私より彼女が好きだったということだろう。彼女との恋愛で彼自身が得られなかったことや自分のひたむきな愛情の姿を私に転移して、彼はひっきょう私を傷つけたのでなく、彼自身を傷つけてはねつけたのだ。そうしないと前を向けない抜き差しならぬ状況だったんだろうと思う。早い話、私は彼に八つ当たりされたのである。

私の言いたかったセリフ、彼が全部奪って吐き捨てて消えていった。泣きそうだ。私は人に踏みつけられるマットなのかもしれないと思った。これまで出会った人たちに踏みつけられていくマット。人権もなく。両親をはじめとして、バイト先で出会ってきた嫌な人たち、弟、そして彼。

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