ゆっくりとさよならをとなえる

いざ、生きめやも/さよならの学者に、なりたい

いまだに深く、なおも深く

帰り道や帰宅後自室でひとりきりになったことにふと気づいたときに、彼が入り込んできて、私をせつなくさせる。今朝の夢の暗示は私が彼をとても大事に想っているという意味だった。振り向いてくれなくなってあきらめるしかないしもうあきらめているはずなのに、なおも深く彼を大事に想うようになった。もう彼は私のもとに戻ってこないから、それはどんな意味を持つのか今の私にはまだわからない。もし、この先誰かと素敵な結婚をしても、彼のことは気になって煩悶するのだろうか?

本当に大事なら、今朝の夢みたいに、彼から性的なことを誘われても断るだろう。実際にそういう局面になったら、私はきっと断ろうと思う、なるかどうかわからないけれど。ならないとは思うけれど。私に別れを告げた後に、どうして彼は人妻の元カノと性関係になったんだろう。それがわからない。アバンチュールに興味ないといいつつ、アバンチュールの中でしか最善を尽くせない気の毒な青年だった。なにより、彼に社会的地歩もないのに、年上の妙齢の女性と誠実に付き合うというのが雲をつかむようなことなのであった。年上の女性なら結婚も視野にいれなきゃいけないはずなのに、そういうことに本気の人間なら、大学生の彼と付き合うなんて論外のはずだ。私?私はどうだったか。本気だったと思うけれど、かれにはそれがどうも伝わらなかったらしい。私が迫れば迫るほど、最初から影のように逃げていく人だったように思う。

気分が悪い別れ際だったし、嫌気がさしてもう二度と会わなくていいとも考えた。けれども、可能性の低さを思い知れば知るほど愛しさや夢が膨らんで、私は我を押し通そうとむきになってきた。夢がつぶされそうになればなるほど、かなえようと強気になるのが人間の性らしい。あるいは、恋愛のステージというのは、そういうものなのだろうか?芸能界のように、夢をとことんつぶされて、現実に塗り替えられるシビアさが恋愛にはないのかもしれない。それでなおも深く好いていくのであろうか。

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