ゆっくりとさよならをとなえる

いざ、生きめやも/さよならの学者に、なりたい

叶うばかりが恋じゃなし・・・・・・

玉ねぎを刻み、きのこをほぐし入れる。ウインナーのかわりにこんにゃくを入れて、トマトスープ。煮込んでいる鍋を見詰めて、ふと、私はこの先誰かと恋に落ちることがあるのだろうかと真剣に考えた。未来は暗澹としている。先行きがわからないけれど、幸先のあるような、幸福の後先に人待ち顔してほほ笑む未来がある。「まあいいや、」と思った、「叶うばかりが恋じゃないし、たとえ一生彼にとらわれたままでも、いい」

出来上がったトマトスープは酸味が効いていた。トマトが煮込まれていないためにまだ酸っぱくてさらさらしている。初夏の味だと思った。