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ゆううつ日記

いざ、生きめやも/さよならの学者に、なりたい

新世界

時々だけれど、今でも少しだけ、人生の可能性として私と彼とに未知の局面が訪れて、ふたりでまったくの新しい世界で始まることがあるんじゃないかとふと思うことがある。昔ほどそれを信奉する気分にはもうなれないけれども、なにかつらい、苦痛なことがあった時彼に会いたくなるから、そんな瞬間に、ちょっと思う。

お互いの錯覚――すれ違いというのだろうか――をなんてことなかったな、もう過去のことだし、とでも考えられるようになったら、また出会うのだろう。もし、出会いというのがあるとしての話なら、そうでないと存在しない。私はどれだけひとりで打ち消そうとしても、彼の冷たい卑怯な別れ際の言葉や、元カノのもとへ奔走したことを、忘れることはできない。もしそう見えたとしたら、忘れたふりをしているだけだ。

私は彼を許したいと思うけれども、自分を見失うわけにはいかない。男女の恋愛は、自分を忘れることができないから、いつまでもいつまでもさびしい。その分の見返りがあれば、私(のような狭量の人間)だっていくらでも許して、相手にそれ以上に近づいてもう寂しい思いをしないで済む関係になれるんだろう。彼とはそうもいかなかったけれど。

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